かぐや姫物語

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは、山で竹を取って暮らしていました。


ある日、おじいさんが竹やぶに行くと、一本だけ光っている不思議な竹を見つけました。


「ほほう、これは珍しい。どれ、切ってみよう。えい!…おや?これは!」


おじいさんがその竹を切ってみると、なんと中には手のひらほどの小さな女の子がいたのです。


子どものいないおじいさんとおばあさんは、とても喜びました。

そしてその子を『かぐや姫(笑)』と名付けて、大切に育てたのです。

かぐや姫(笑)はすくすく育ち、やがて立派な娘さんになりました。

そして、そこそこ可愛くなりました。


すると、そこそこ可愛いかぐや姫(笑)のところへ、


「かぐや姫(笑)と結婚したい」


という若者が何人かやってきました。

みんな普通の若者でした。


でも、かぐや姫(笑)はまだお嫁に行くつもりはありませんでした。

もう少し選びたいし本当はもっと遊びたいお年頃だったのです。

そこでかぐや姫(笑)は、


「では、以下の条件を満たした殿方のところへお嫁に行きましょう」


と言って、若者たちに無理難題を押し付けました。


・年収1000万円以上

・年齢35歳位迄

・身長180cm以上

・イケメン

・安定した職種(公務員等)or大手企業に勤務

・転勤無し

・結婚歴無し

・長男以外で親との同居無し

・でも私の実家の近くに住みたい

・煙草を吸わない

・ギャンブルをしない

・自分の趣味に浪費しない

・優しい

・怒らない

・浮気しない

・年一回の海外旅行

・家事育児は50:50で完全分担

・私は専業主婦希望


こうすることでみんなを諦めさせようとかいう魂胆ではなく、ガチで希望しました。

本当に条件クリアできるなら今お嫁に行ってあげてもいいよ?むしろ募集告知?みたいな?


厳しい条件を突き付けられた若者たちは一生懸命頑張りました、というのは嘘で、ドン引きして去りました。

そもそも身長とか顔とか長男であることなどは、本人の頑張りでどうにかなる問題でもありません。

また、奇跡的に条件をクリアしていた者は、もっと性格がよくて頭もよくて本当に美しい人と結婚しました。

というか最初から求婚メンバーの中にはいませんでした。

従って結局、かぐや姫(笑)と結婚した者はいませんでした。


かぐや姫(笑)はしばらく待っていましたが、自分の望み通りの男性が現れなかったのでがっかりしました。

最近の男ってホント草食系ばっかだわ、ありえんわマジでと舌打ちしました。

仕方が無いので、気を取り直してもうしばらく独り身の自由を謳歌することにしました。


しかし、そうこうしているうちに、かぐや姫(笑)も結構な歳になってしまいました。

結構な歳というのは…諸事情に配慮した結果このブログでは触れないほうがいい気がする歳のことです。


そろそろガチで結婚したいなと思い始めたかぐや姫(笑)は、多少は条件を緩和してもいいかなと考え、どこをどう緩和すべきか、同じ女性から意見を貰うことにしました。

そしてブラウザを開き、知恵袋や発言小町やはてブあたりに詳細を投稿して相談してみました。


「…という条件なんですけど、どのへんを妥協すればいいか迷っています。

例えば身長180cm→175cm位ならまだアリですかね?ご回答よろしくおねがいします☆」


すると、あの界隈でよく見かけるタイプの否定的な意見がめっちゃ返ってきました。


「釣りですかw?それとも若い頃ちょっと可愛くてマジで勘違いしちゃった系w?上から目線すぎw」

「いい歳して認識が甘すぎます。その高望みはありえません。そろそろ自覚しないと一生独身ですよ」

「年収一千万以上は全正規雇用男性の3%、うち既婚やバツイチ、低身長や中年を除くと…残り何%ですかねw」

「私は既婚者で専業主婦ですが、世間知らずすぎて呆れました。ちなみにあなたと同い年です」

「もっと現実を見たほうがいいのでは?年齢的にもう子供も厳しいのに。ちなみに私は二児の母です」

「条件を満たす男性をたくさん知っていますが、あなたは選ばれないでしょう。ちなみに私はCAです」

「私の夫は条件を満たしていますが、夫もそんな女性はいやだと言ってました。ちなみに私は読者モデルです」

「私の夫も条件は軽くクリアしていますが…だからってそんなにいい暮らしでもないですよ?

 よくママ友から妬まれるしw会話にも気を遣っちゃうしw あ、ちなみに夫とは週一で仲良ししています」


一応、「アリかナシか」を問うている質問文であるにも関わらず、

回答はどれもyes/noではなく条件への批判&煽り&マウンティングの嵐。


これを見たかぐや姫(笑)はとてもびっくりして、わなわなしました。

そして、よせばいいのにこれまたよくある自称モテネタで反論を試みました。


「高望みでしょうか?自分ではわからないけど周りからはよくかわいいとか綺麗だねって言われます!」

「見た目は年齢より若いって言われます」

「お肌やスタイルには気をつけているつもりです」

「料理とかもある程度自信があるつもりです」

「過去に何度も告白されたことがあるので」

「最近もアプローチしてくる男性が」

「STAP細胞はありまぁす」


しかしこうしたかぐや姫(笑)の盛りもむなしく、速攻でボコボコに叩かれました。

悔しさが収まらないかぐや姫(笑)は、別のメアドで取得したサブアカウントから、


「高望みじゃないと思います!kaguyaさん(ハンネ)が素敵な人と結婚できますように☆」


と自演レスしてそれをベストアンサーに選び、他の意見は全部違反報告しました。

そしてイライラしながらページを閉じました。


その後はこのエントリを取り上げたまとめサイトのコメ欄に戦場を移し、

最終的には男口調で第三者になりすまして釣り認定することで逆にプライドを保ちました。


「お前ら馬鹿すぎwwwwどう見ても釣りなのにwwww」

「ネタにマジレスしてんなよ底辺ども」

「回答してる女どもが見栄っ張りすぎてクソワロタw」

「『仲良し』に草生えた」


精一杯煽り返し、草を生やし、荒らし、逆恨みしました。

そしてリアクションが返ってきて傷つく前に、またページをそっ閉じしました。


かぐや姫(笑)はひとしきり泣いたあと、おもむろに再春館製薬のHPへアクセスし、

ドモホルンリンクル無料お試しセットをしめやかにポチりました。

婚活サイトにも登録しました。美容院の予約も入れました。

頑張った自分へのご褒美に高級エステの予約も入れました。

すべておじいさんのカードで決済しました。


それからフテ寝しました。毛布を抱いて股に挟み、口を開けてがあがあ眠りました。


一連の様子を物陰から見ていたおじいさんとおばあさんと島田は、

女は本当に恐ろしいとガタガタ震えました。


めでたしめでたし。

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出張ホスト(レンタル彼氏) 島田龍一の個人ブログ。 Baltraju(バルトレージュ)所属。